純粋に絵を描く楽しさ、描ける楽しさを、私なりに子供たちに伝えたい気持ちで続けて参りました。
だから、数年前から、将来絵を描く人になりたいなどという言葉が子供たちから聞かれるようになりとても嬉しいです。
今日は、絵の好きな子供たちを持つ親御さんに向けて。
<画像は、話とは関係ない私のうさぎのクロッキーです。>
*****
絵を描く人 と言っても、そのままの絵描きであったり、デザインの仕事だったり。
その中でも、絵描きであれば、画家 イラストレーター 漫画家 絵本画家など。
デザインでは、生活全てのものがデザインされたものですから、街づくり、建築、車、家具、文具、洋服、靴カバンにスカーフ、本の表紙、食器にカトラリーなどなど。
そして、絵描きやデザイナーになりたいなら進路は美術系と、藝大美大や美大附属の中高と考える方が多いでしょう。
少子化だから、一般大学、特に私学は、早慶マーチなどは相変わらず人気が高く、入るのも難しいのでしょうが、それ以外の大学になると倍率は減っていく一方で冷や冷やしている学校も多いと聞きます。
美大にしても、藝大は相変わらず高倍率で推移しているものの、私立美大は様々な入試機会を設けて生徒の獲得に必死な所が多いです。
授業料も私がいた頃に比べて高額ですが、少し前に母校を訪問したら、カリキュラムがしっかりしていて驚きました。
絵を描くことを仕事にしてから思うのは、画家として活躍している人の共通点は、
続けていること。
当たり前のようですが、ここにしか共通点が無いとも言えるのです。
美大を出ていない絵描きさんも案外多いのです。
必ずしも、アカデミックな描写が絵に必要ではない事もありますし、美大を出て絵が描けるのは当たり前なのに対して、違う学科を(有名大学だったりするとなおさらのこと)学んだ人なのに絵が描ける方が、人は感心したりもする影響もあるかもしれません。あとは最近多い、絵を描く芸能人はコアなファンが多いので、絵を描き始めて少しして個展など開いても即完売作家となりますし。(羨ましい〜)
そういうと、美大や付属の学校って入る意味無いじゃないかって思われるかもしれません。
たしかに、デッサン力がついたのは予備校時代だけ。
じゃあ何に意味があるかというと、遠回しでもなのですが、
・美大での時間を過ごす(旅もした)
・美術を通して人として成長する
・美術の好きな気が合う仲間と共に過ごし、生涯に渡る切磋琢磨する仲間を得る
・教授の指導よりも、後ろ姿を見て学ぶ
・美術の中でも、興味がなかった仏像やお寺に興味が広がった(古美術研修というのや、学科の日本美術史の授業で)
というのが、大学時代は女子美の日本画科に通っていた私の個人的見解です。
美術によっても科によってかなり違うとは思います(娘の通う工芸科では猛烈に技術を学んでます)が、太字で書いたところは共通するのではないかと。
美術はそもそも無駄かもしれない。(すぐにご飯が食べられるようになる訳ではおおかたない、続ける人は少ないという意味で)でも、幸いなことに、美術系の感性や感覚が、一般企業やお役所でも歓迎されているニュースも耳に入ります。
美術という、その無駄かもしれないことに一生懸命になる事で、他には得難い感覚だったり、生きる喜びだったりを得られる可能性がある訳で、そのために時間を使えるって、美術大学なかなかだなぁと思っています。
でも、絵を描く道は一つでないし、他に強い知識がある人にしか描けない世界もあるので、特に中高では様々なことを一生懸命学ぶことがお薦めです。一般常識の無い人はいけません!
そして、何より大切なことは、学校とかでなく
続けること
です。
最後に大好きなドラえもんの歌から
何のために生まれて 何のために生きる
答えられないなんて そんなの嫌だ
美術の道を志すお子さんを応援することは、とても大変な事です。お金のこともそうですが、絵が上手くても、入試に強いとは限らないですし。
でも、子供に気持ちにすぐに蓋はしないで、応援してあげられる範囲で応援して頂けたらと思います。
教室にお通いの、お通いだったお子さん達を私はこれからもずっと応援しています。