2013年 08月 05日
貝の絵と、宮城先生 |
神奈川県の海水浴に行って、子供たちが泳いでいる間に拾い集めたものですが、いろいろな所から寄り集まって、たまたまこの海岸に落ちていただけなのに、不思議とそれぞれが共鳴して響きあっている気がして慎重に並べて、静かな気持ちで制作しました。
貝と言えば思い出すのは、女子美の恩師である日本画家の宮城真先生のこと。私が卒業して何年か経ってから大学祭でお会いした時に、絵とは全く関係ない仕事について休日はくたびれ果てて絵を描く時間が取れない…などと、愚痴をこぼした私に「貝殻ひとつを、一か月かかってもいいからちょこちょこ描いたりしたら」などと、一緒に困ってくださったような表情をして一生懸命考えながら話してくださいました。誠実な答えをいただいて感謝したのですが、実行しないまま年月が流れました。でも、ずっと脳裏から離れない言葉でした。
そして、もうひとつ、昨年度女子美を退官される際に、卒業生に向けたメッセージをくださいました。
「創作とは、初めて作ること。新しいものを作り出すには、覚えた制作の手順、方法から脱し、観念を打破することから始めなければならない。
その都度、初めてものを見る目で察知し、実感する能力が必要で、絶えず新鮮な感動を得るよう心掛ける事が大切。
未知の世界に踏み込む勇気を持ち、失敗を恐れずに挑戦し続けることを望みます。」
と。実家宛てに送られてきたこの女子美からのメール便に同封されていたメッセージに感動しきり!正月に写経?してしてしまいした。
by miwa-art-life
| 2013-08-05 12:46
| 水彩画
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