絵を描くママは嫌い!? |
高3の娘に最近「ママ変わったね」、と言われる。
要するに“冷たくなった”と言いたいのだろう。理由はわかっている。
いつもひとつのことしか全力投球出来ない性格だ。
美大を出て、スカーフや傘などのアパレル小物を扱う業界の大手のひとつに就職した。
イタリアの最高級カシミヤ生地メーカーのロロ・ピアーナのカシミヤ製品を扱う少数精鋭の部署専属での雇用で。(ロロ・ピアーナは生地ブランドとして、エルメスなど、最高級ブランドに愛されている。現在はわたしのいた会社での取り扱いは終了している。)
デザイナーとしてではなく、
広報担当として大阪・香港でのカタログ制作や本社での展示会のディスプレイ、マーチャンダイザーの補助も担い、秋冬は毎月のように全国の百貨店の特選販売会などの販売にも一人でにかけるという、三年間で、通常は経験しえない幅の仕事をした。
だから、大学を出た後も絵を描き続けようという、気力も体力もなくなってしまう。
その後、結婚・子育てと、いつか絵を描きたい…という気持ちをかかえながらも、描けないでいるまま。
で、どうせならと、超どっぷり子育てを楽しんできた。
下の子が年長になった時に、地元のカルチャーで月一回の水彩講座を受けたのが絵の再スタート。9年のブランクがあったけど、本当に楽しくて、やはり絵を仕事にしたいと思い始める。
初めての個展をして、幸運にも絵本の仕事が続き、さらに、昨年二月に、先に終了した個展の話を頂き
それは、今までになく、強く強く願ってきたことだけに、全身全霊で取り組んだのでした。
たぶん、使える時間のすべて費やしたく、家事をしている時も、頭は絵に関わることがいっぱいで、
娘には、いい加減な返事をしたり、時短の食事だったり、絵の仕事のための時間がとれなくてイライラしたり…
それが冷たく写って、「ママ変わったね」のひとことになったのでしょう。
でも、もう娘達も目標が定まって、それぞれの夢に向かって進んでいます。いつか、夢のためだたり、就職や結婚で家を離れるのでしょう。
その時泣きはらさないためにも、母は母の夢に向かって歩んで行きたいの。
というより何より、わたしが絵を描き続けたいから
「今と昔、どっちが幸せ?」とさらに聞いてきた。それは、(子供と絵のどっちが大切なの?)という意味にも聞こえ、
わたしは「どっちも」と言おうと思ったけど
「今。だって、あなたたちが小さい時にはもう戻れないでしょ」
と答えました。
本当に、どっちも大事なんだけどね。
寂しい想いをさせたのかなあと、先日一緒にアフタヌーンティーに出かけ、スイーツで笑顔満開になっていました(*^_^*)